空き家 売りたい

いまや空き家は社会問題

 

昨今の空き家問題を考えたとき、

 

相続した実家をどうしたらいい・・・
親が老人ホームに入って実家が空き家に・・・

 

そんな悩みがある人は少なくないでしょう。

 

納税通知書に驚く女性のイラスト

もし田舎の実家に誰かが住むなら自分だとは思うものの、田舎を出てからすでに数十年が経ち、いま住んでいるところの方が実家よりも地縁を感じ、田舎との接点ももうありません。
ただ、たまに実家に帰ると小さい頃の原風景がよみがえり、ノスタルジーを感じ愛着があるから何となく所有している・・・。
その一方で、相続で引き継いだ実家の固定資産税の納税通知書は毎年必ず送られてきます。
ほとんど使っていなくても、これが資産を所有する代償(?)です。

 

空き家といえども、税法的には立派な資産なので、その資産を手放さない限り、これは一生続くのです。

 

空き家を持て余してしまう問題は必ずしも田舎に限った話ではないようです。
23区内の住宅地に実家があるものの(←羨ましい限りですが・・・)、親御さんがなくなったあと住む人がいなくなったため、相続者全員の合意のもとで売却を検討したところ、周辺では相続が相次ぎすでに多くの売り物件が・・・.。
そうなると、必然的に売価は低くなってしまいます。
住宅街が開発された時期に移り住んだ人が多いエリアでは、相続のタイミングもほぼ同時に起きる傾向があり、そうなると需給バランスが一気に崩れてしまうんですね。

 

こうした悩みはいまや、社会問題になりつつあります。
総務省の調査では、日本には空き家が819・6万戸(2013年度)あることが明らかになりました。
空き家は適切な管理が行われないと、防災、衛生、景観などの面で、周辺の生活環境に深刻な影響を及ぼします。
国はこれに危機感を暮らせ、対策に乗り出すべく2015年に「空き家対策法(正式には空き家等対策の推進に関する特別措置法)」を制定しました(2014年11月に国会成立、2015年5月施行)。

 

この法律の大きなポイントは、市区町村の権限が大幅に強化され、倒壊の恐れのある空き家や衛生上著しく有害となる恐れのある空き家を「特定空き家」に認定し、所有者に対して、撤去や修繕を命令できるようになった点です。

 

さらには、税制面の修正で、特定空き家に認定されると、特例を受けられなくなることから、土地の固定資産税が最大6倍になることも決まりました。

 

空き家に関する法律が改正された

 

実は、以前は空き家を取り壊して更地にすると損をするという事実がありました。

 

土地・建物には毎年、固定資産税都市計画税という税金がかかります。
税率は基本的に、固定資産税が1.4%、都市計画税は0.3%で、合計1・7%です。
たとえば土地の課税標準額が1000万円ならば、固定資産税と都利市計画税合わせて毎年17万円かかるわけです。

 

ところが自宅やアパートなどが建っている土地については、「住宅用地の課税標準の特例」という制度があるので、税額が大幅に優遇されてきました。
具体的には、敷地のうち200u以下の部分は、固定資産税が本来の1/6、都市計画税が本来の1/3になります。
また、200uを超える部分についても、固定資産税は1/3、都市計画税は2/3になります。
つまりこれまでは、古くても家さえ建っていれば、課税標準額1000万円の土地(面積が200u以下)の固定資産税と都市計画税の合計は、3万4000円足らずだったのです。

 

建物の解体費用をかけて更地にしてしまえば税額17万円、空き家のまま放置すれば税額約3万4000円となれば、誰もが建物を残す選択をしてきたのもうなずけますよね。

 

あるいは、かつて家を建てたときと現在とでは建築に関する法規制が変わり、空さ家を取り壊して建て替えるとなると、建物の大きさを小さくしなければならなかったり、場合によっては接道義務を満たしていないなどの理由て、再建築が不可能なこともあります。
こういった理由から空き家をそのままにしてきたというケースもあるでしょう。

 

今後、空き家は放置できない?!

空き家のイラスト

近年、空き家問題が各地でクローズアップされています。
実際、誰も住んでいない家というのは、荒廃が進んで景観を乱すだけでなく、ゴミの不法投棄を引き起こしたり、放火や不法侵入などの犯罪の危険があったり、あるいは大きな地震が発生したときに建屋が倒れ、道をふさぐ恐れもあります。
こういったことは、地域にとって非常にマイナスです。

 

そこで国は、この「空き家問題」に危機感を募らせ対策に乗り出すべく、空き家対策法(空き家等対策の推進に関する特別措置法)を制定したのです。

 

この法律の大きなポイントは、倒壊の恐れのある空き家や衛生上著しく有害となる恐れのある空き家などを、各市区町村が特定空き家として認定し、所有者に対して撤去や修繕の命令を行い、もし命令に従わなければ市区町村が強制的に撤去し、かかった費用を所有者に請求することができるようになったという点です。

 

国土交通省が挙げる特定空き家かどうかの認定基準は次の4つです。

  • 基礎や屋根、外壁などに問題があり、倒壊などの危険があるもの
  • ごみの放置などで衛生上有害なもの
  • 適切な管理が行われておらず、著しく景観を損なうもの
  • その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切なもの

もはや、「ボロ屋敷」や「ゴミ屋敷」は許されない時代になったというわけです。

 

どんなに立派な家屋でも、手をかけないで放置しておけば、時間の経過とともに老朽化します。
そして、そうなれば、特定空き家と認定される可能性があり、最悪の場合は市区町村によって建物を取り壊され、その費用を請求され恐れがあるということです。

 

さらにもう一つ、空き家対策法と関連して重要なことは、2015年度の税制改正によって、特定空き家に認定された建物については、前述した固定資産税と都市計画税の減免措置(住宅用地の課税標準の特例)が適用されなくなったということです。
つまり、特定空き家になると、土地の固定資産税が最大6倍になるケースも出てきます。
ということは、古家が建っていたとしても、土地の固定資産税は6倍になるわけなので、空き家を残しておく最大のメリットがなくなったわけです。
こういったことを考えると、「空き家をとりあえずそのままにしておく」という選択肢はもはや通用しなくなったことがわかると思います。

 

今後、日本では、人口はますます減少、空き家はますます増加することが予測されます。
そういったことを踏まえると、空き家はなるべく早く売却することが得策だと考えられるのです。

 

>>>我が家が利用した不動産一括査定サイトはこちら

 

空き家の売りどきはいつ?

 

空き家に対する国や地方自治体の取り組みが強化されると、いまある空き家やこれから出てくる空き家はどうなるのでしょう。
そのまま持っていても、特定空き家に認定されれば、固定資産税の優遇が受けられず、また、場合によっては自治体によって取り壊され、費用を負担しなければならない事態も考えられます。
そうなれば、せっかく相続しても、もはや資産とはいえませんよね。

 

となると、普通に考えれば、「それなら売ってしまおう」と考える人が増えるはずです。
当然ですが、空き家を売る人が増えれば、売り手は必ず不利になります。
中には、早く売ってしまおうと相場より大幅に安く売る人も増えるかもしれません。
それに、そもそも日本では少子高齢化によって、すでにマイホームの売り手と買い手のバランスが崩れつつあります。
買い手が減少しているにもかかわらず、年間80万戸以上の新築住宅が供給されているのですから、ますます空き家が増加するでしょう。
一般的に、空き家は築年数の古い中古住宅なので、ただでさえ売却には不利なのに、売り手が増えれば増えるほど値崩れが起きることは、容易に想像できます。
以上のことから、空き家を売るのは早けれぱ早いほどよい、ということがわかると思います。

 

空き家の3,000万円特別控除の創設

以前は、空き家を売るなら住んでからが得だといわれていました。
それは、「居住用財産の3,000万円特別控除」または「居住用財産の軽減税率の特例」を適用して、譲渡所得にかかる税金の優遇を受けるためでした。
これらの特例の適用を受けるには、実際にマイホームとしてそこに住み、生活していることが必要なので、引っ越す必要があったのです。

 

しかし、平成28年度税制改正で「空き家の3,000万円特別控除」が創設されました。
これは、相続によって空き家になった不動産を売却し、要件を満たした場合には譲渡所得から3,000万円を控除できる制度です。
つまり、わざわざ引っ越してマイホームとしての実態を形成しなくても、税制優遇できることになったのです。

 

相続した空き家の売却で3,000万円の特別控除を受けるための条件は、

  1. 1981年5月までに建てられた1戸建て
  2. 亡くなった人が一人暮らしをしていた自宅
  3. 相続発生以来、住んだり、貸したり、事業を行なったりしていない
  4. 相続発生の3年後の年末までに売却
  5. 建物を解体または新耐震基準に適合させて売却
  6. 売却価格が1億円以下

です。

 

国土交通省のHPによれば、この特例には、大きく分類すると以下の2つのパターンがあり、どちらに該当するかによって必要書類が異なります。

  • 相続した空き家を除却してから売却(便宜上「除却パターン」と呼びます)
  • 相続した空き家に耐震リフォームを施し、現行の耐震基準に適合させた上で、売却(便宜上「耐震工事パターン」と呼びます)

 

特例の適用を受けるためには、税務署に以下の書類を提出することとされています。

  1. 譲渡所得の金額の計算に関する明細書
  2. 被相続人届住用家屋及びその敷地等の登記事項証明書等
  3. 被相続人居住用家屋またはその敷地等の売買契約書の写し等
  4. 被相続人居住用家屋等確認書(:被相続人居住用家屋の所在市町村に申請し交付を受たもの)
  5. 被相続人居住用家屋の耐震基準適合証明書(指定確認検査機関等が発行)または建設住宅性能評価書の写し(登録住宅性能評価機関が発行)

※5は耐震工事パターンの場合のみ必要

 

上記4、被相続人居住用家屋等確認書とは、適用要件の1つである「相続時から売却時まで、事業、貸付、居住の用に供されていないこと」等を、物件所在の市区町村長が証明した書類のことです。
この被相続人家屋等確認書の交付を受けるためには、次に掲げる書類を申請者が用意し、市区町村長に提出しなければなりません。
除去パターンを例にすると、下記すべての書類が必要です。

  • 被相続人の除票住民票の写し
  • 被相続人居住用家屋の譲渡時の相続人の住民票の写し
  • 被相続人居住用家屋の取壊し、除却または滅失後の敷地等の売買契約書の写し等と被相続人居住用家屋の除却工事に係る請負契約書の写しの両方
  • 電気もしくはガスの閉栓証明書または水道の使用廃止届出書 / 当該家屋の媒介契約を締結した宅地建物取引業者か、当該家屋の現況が空き家であり、かつ、当該空き家は除却または取壊しの予定があることを表示して広告していることを証する書面の写し / 当該家屋またはその敷地等が「相続の時から譲渡の時まで事業の用、貨付けの用または居住の用に供されていたことかないこと」の要件を満たしていることを所在市区町村が容易に認めることができるような書類 以上のいずれか一つ
  • 当該家屋の取壊し、除却または滅失の時から譲渡の時までの被相続人居住用家屋の敷地等の使用状況が分かる写真
  • 当該家屋の取壊し、除却または滅失の時から当該取壊し、除却または滅失後の敷地等の譲渡の時までの間の当該敷地等における相続人の固定資産課税台帳の写しまたは固定資産税の課税明細書の写し

 

空き家の3,000方円控除が適用できれば、最大で約600万円もの節税ができます。
ただし、この制度を利用するためには非常に細かい要件を満たす必要があり、さらに上記のような複雑な準備・手続が必要なので、かならず専門家に相談することをオススメします。

 

建物の解体時期に気をつける!

現実問題として、耐震リフォームにコストをかけても、その分だけ高く売れる保証はありません。
なので、空き家を解体して更地で売るパターンが一般的になりそうです
ただし、買い主が見つからないまま早々に解体すると土地の固定資産税を余計に払うことになりかねない。

空き家を売る?貸す?住む?

 

空き家をどうするか。
ゼロべースで考えれば、空き家には「売る」「貸す」「住む」の3つの選択肢があります。
そして、実際に「売る」か「貸す」か「住む」かを決めるときは、その損得を比較して決める人が多いと思います。
それは、当たり前のことなのですが、その前に「自分の素直な気持ちに従う」ことが重要です。

 

「親戚やご近所がどう思うか」といった世間体や「親が何十年も住んでいた家なんだから」といった義務感は一旦取り除き、自分の素直な気持ちを大切にしてください。
たとえば、空き家になった実家の中を見回して、「やっぱり、ここに住みたい」と思うなら、損得勘定ではなく、住むためには何が必要かを考えればいいのです。
あまり目先の損得だけで決めると、後から「ああしておけぱよかった」「こうしたほうがよかった」という後悔しかねません。

 

実家といえども所詮はモノです。
快適な暮らしを実現したり、豊かな人生を送るためにモノを活用するのが本質です。
そのためには、世間体や義務感に振り回されることなく、自分の気持ちに素直になることが一番です。

 

安全性はどうか?

災害対策に関するイラスト

売る、貸す、住むを考える前に、自然災害などに対する安全性を確認しましょう。
建物を解体して土地だけで売却するならまだしも、中古住宅として売却したり、賃貸住宅として貸す、あるいは自らマイホームとして住むには、安全性のチェックは欠かせません。

 

たとえば、湾岸エリアや川沿いなどでは、大地震の際に液状化が発生しやすいと言われています。
液状化が発生すると、建物が傾いたり上下水道などの配管が破損するなど生活に支障が出るだけでなく、土地や建物の資産価値が大きく下がってしまいます。

 

また、大雨で河川の氾濫が起きたり、土砂崩れが発生しそうなエリアも同様です。
なので、もしこういったエリアにある空き家なら、損得を考える前に売却を検討したほうがよいでしょう

 

建物の耐震性が不安な場合も同様です。
建築基準法では耐震性能が定められていますが、それはその時代の最低限レベルの基準であり、しかも、建築基準法は過去に何度も見直しが行われており、特に1981年の改正以前の耐震基準は「旧耐震」と呼ばれ、耐震性能が危険視されています。
つまり、「旧耐震」でつくられた物件は、現状すでに売りづらい状況なのです。
また、1981年改正以降の「新耐震」物件に関しても、現行基準に比べると耐震性能がかなり低いため、時間が経てば経つほど売りにくくなることが予想されます。

 

旧耐震、新耐震ともに、建築当時の法律に照らせば違法ではありませんが、現状の建築基準には合致しません。
これを、専門用語では「既存不適格」といい、そうなると安全に暮らすためには、貸すにせよ住むにせよ、建て替えやリフォームによって現状の建築基準を満たすためのコストがかかることになります。
したがって、こういった物件も、やはり早めに売却するのがよいでしよう

 

損得勘定してみる

実際に、売る・貸す・住むについて損得を判断するといっても、何から手をつければよいのか迷う人は少なくないでしょう。
そんなときはまず、空き家が今いくらで売れるかを調べましょう
つまり、売れる価格を調べ、その価格を基準に、貸した場合、住んだ場合との比較をすれば、どれが得(損?)なのか判るはずです。

 

売値を調べるなんていうと、空き家がある地域の不動産会社を一軒一軒たずねて、「この家はどれくらいで売れますか?」と聞いて回ることを想像するかもしれませんね。
確かにそうすれば、「このあたりでは最近、これくらいの値段で取引されたケースがあるのでいくらくらいですね」といった答えがもらえるでしょう。

 

ただ、インターネット上の不動産一括査定サイトを利用すれば、自宅に居ながら労せずに、無料で複数の不動産会社から空き家の売値相場を提示してもらうことができるので、ぜひ利用してみてください。
>>>我が家が利用した不動産一括査定サイトはこちら

 

一般的には、ほとんどの不動産は価格次第で売れるはずですが、中にはどんなに価格を下げても売れないケースがあります。
たとえば、市街化調整区域にある物件や法的に認められた道路に面していない物件など、新規に建物を建てることが許されない物件では、まず買い手がつきません。
そういった場合は、隣地の所有者に買ってもらう、あるいは隣地の所有者と一緒にまとまって売るなど、より複雑なテクニックが必要になるでしょう。
そのような判断も含めて、一括査定サイトで知り合った不動産会社などの専門家に相談するのがよいと思います。

 

売ったら手元にいくら残る?

売れる価格がわかったら、次はそこからいろいろな手数料や税金を差し引いて、いくら手元に残るかを確認します。
損得の判断は、いくらで売れるかではなく、あくまでも手元に残る金額をべースに比較する必要があるからです。

 

空き家が売れた場合は、仲介してくれた不動産会社に手数料として、売却価格の3%+6万円+消費税分の金額を支払わなければなりません。
加えて、売ったときに含み益が出る場合は、売却益(譲渡所得)に対して所得税住民税がかかります。

  • 所有期間5年以下(短期譲渡所得)の場合、39%(所得税30%、住民税9%)
  • 所有期間5年超(長期譲渡所得)の場合、20%(所得税15%、住民税5%)

さらに、平成25年より、復興特別所得税として、所得税の2.1%が別途かかります。

 

売却益というのは、「売れた価格」から「買ったときの価格」を差し引いたものです。
なので、購入価格がはっきりしている場合には、「売却益=売値−買値」という単純計算で算出できます。
このときマイナス、つまり損をしていれば、課税されることはありません

 

よく問題となるのは、実家を親がずっと昔に建てた(買った)とか、先祖代々受け継いだ家など、買ったときの価格がわからない場合です。
そういう場合、税金の計算上は通常、売却価格の5%を取得費(購入価格)とみなして計算します。
ということは、売れた価格の95%に課税されるということです。
たとえば、空き家を1,000万円で売ったとすると950万円が売却益となり、これに20%の税金がかかると190万円(39%なら375.5万円!)を支払わなくてはならないわけです。

 

ところが、日本では税金を支払う側が自ら税額を計算して申告するのが基本なので、税務署に対して取得費を合理的に説明できれば、それが認められることがあります。
一例を挙げると、(一財)日本不動産研究所が発表している「市街地価格指数」というデータを利用する方法があります。
これは、戦前から全国主要都市の宅地価格を指数化しているもので、これを使って買ったときの価格を類推し取得費を設定して税の申告をすることも可能です。
平成12年3月末の数値を100として表現されているため、取得費の計算をする際には調整が必要ですが、昭和30年以降に取得した土地であれば、往々にして「売れた価格×5%」は上回るといわれているので、節税効果が期待できます。
データは刊行物として販売されているほか、無料のWEB会員に登録すればダウンロードが可能です。

 

戸建ての空き家を売る場合、価格は土地と建物の合計価格になります。
ただし、一般的に建物の評価額は、20年ではぽゼロになります。
なので、戸建ての空き家を売る場合は、建物を取り壊して土地として売る方法もあります。
戸建て住宅を希望する人は、やはり自分仕様のマイホームを建てたいと考えるケースが多いため、売りやすくなるのです。

 

そこで問題になるのが解体費です。
あくまでも目安の数字ですが、2階建てで延べ床面積が30坪(約100u)の木造住宅の場合、解体費は約120万円になります。
ただ、空き家の解体費用については、補助金を出す自治体もあるので、よく調べてみてください。

 

建物の解体費用の目安

建物の構造

1坪あたりの費用(解体費=1坪あたりの費用×建物延床坪)

木造

40,000円

鉄骨造

60,000円

コンクリート造

70,000円

※浄化槽がある場合 別途

1個あたり5〜30万円

 

貸すとしたら賃料はいくら?

空き家になっている戸建て住宅を貸す場合の収益は、賃料がべースになります。
これは周辺の仲介会社に、「貸家として貸すと1ヶ月いくらくらいになるか」を聞けばおおよその金額がわかります。

 

もしも空き家を解体して更地で貸す場合は、青空駐車場としての賃料を目安にします。
青空駐車場は土地の活用法としては最も収益性が低いのですが、比較的簡単に貸せますし、解約するのも簡単です。
これも周辺の仲介会社に、「駐車場として貸すと月いくらくらいか?」と聞けば教えてもらえます。
こうした収入から経費や固定資産税などの税金を差し引くことで手元に残る金額がわかれば、売る場合との比較ができます。

 

固定資産税・都市計画税については、毎年市町村から送られてくる納税通知書で確認できます。
概算で計算するなら、おおよそ物件価格の2%と想定すればよいでしょう。

 

それから、貸す場合は、将来売ることになったときのために、資産価値の目減りについても考えておくことが必要です。
建物は築20年でほぼゼロになりますので、20年後に売るなら建物価値はゼロと考えます。

 

土地については価値が残りますが、日本の現状をみると、地価の全国平均の下落率は、毎年およそ2%ずつ10年間ずっと値下がりしているのが実情です。
地価の値下がりの最大の原因は人口減少です。
都道府県単位でみると、人口が減少している県ほど、地価が値下がりしていることがわかります。
47都道府県のうち、値下がりしていないのは東京都だけで、その東京都でさえ10年間でプラス2%と、ほぼ横ばいです。
つまり、将来の人口減少から予測すると、ほぼすべての土地が値下がることは避けられないということになります。

 

しばらく貸した後で売ったらどうなるか、この点も加味して損得を判断してください

 

住むにはいくらかかる?

空き家だった戸建て住宅に居住する場合には、意外にメンテナンス費用がかかります。

 

家の規模や構造、仕上げにもよりますが、外壁・屋根の補修や再塗装なら100万円前後、屋根材を葺き替えるとなると雨どい込みで80〜100万円程度、そのほか給湯器やガスコンロなどの交換で20〜30万円程度かかるため、快適に暮らすには少なくとも10年間で100〜200万円はかかるとみておいたほうがよいでしよう。
その他に水まわりまで手を加えるとなれば、けっこうな金額がかかってしまいます。

 

もちろん、住宅を所有すれば、固定資産税などの税金もかかります。
ただし、現在賃貸住まいなら家賃が必要なくなりますので、それらすべてを相殺して総合的に売る、貸す場合と比較するとよいでしょう。

 

空き家の売り方

 

空き家と一口にいっても、戸建て住宅とマンションでは、その売り方に若干の違いがあるので、それぞれについて下記にまとめてみました。

 

戸建て住宅の場合

戸建ての空き家については、

  1. 建物を解体して売る
  2. 解体しないでそのまま古家つきで売る

いずれかの判断が必要です。

 

解体する・しないは、売り先を個人or業者いずれを想定するかによって判断が分かれるといえるかもしれません。

 

一般的に、個人を売却先として想定するなら、建物を取り壊して更地にして売り出す方が、買い手がつきやすいでしょう。
素人にとっては、更地の方が、どんな家を建てられるのかイメージしやすく、建築工事の着工も早くできるからです。

 

個人が買い手の方が、業者に売却するよりも高値で売ることができますが、建物の解体には、それなりに費用がかかることも覚えておきましょう。

 

一方、買い手が建売会社などの業者なら、建物は解体せずにそのまま売る方がよい場合があります。
そもそも、「業者が買う=商品の仕入れ」なので、当然、個人の買値よりも低い値段がつけられ、さらに、建売業者は物件購入後に、自らのコストで建物を解体することになるので、解体費用分まで値下げを要求される可能性があります。
ただし、建売業者は戸建ての解体工事を数多く手がけているためコストを安く抑えられ、解体費用を値引きしても売主が解体するよりも効率がよい場合が多いです。
さらに、個人の買主を探すよりも業者の買い手を探す方が、圧倒的に短時間で済むことが多いというメリットもあります。

 

空き家は、ただ持っているだけで毎年コストがかかる一方ですから、どのような形で売却するのかについては総合的に考え、解体するかどうか、そのタイミングはいつかなどを検討してください。

 

マンションの場合

マンションは、戸建て住宅に比べると、広さや形状、権利関係などが定型化されています。
共有名義かどうかは別として、隣地との境界などの面倒なトラブルがないため手続き上も売りやすく、また、同一マンション内での売買データが揃っているケースが多いため、いくらで売れるかの査定もしやすいと言えるでしょう。

 

マンションの売り出し価格は、不動産会社と相談しながら、相場プラス5〜10%で設定します。
たまたま、相場より多少高くても購入を希望する買主がいるかもしれませんし、通常は価格交渉が入るので、その分の幅をも持たせておく意味もあります。

 

 

戸建て、マンションに関わらず、不動産会社を通して空き家を売り出すと、チラシやインターネット広告上に「売り物件」として表示されます。
それを見た購入希望者は、不動産会社に問い合わせをして、実際に物件を見学に来ます。
これが「内覧(内見)」と呼ばれるもので、内覧の予定について不動産会社から連絡が入ったら、売主はそれに合わせて現地で立ち会うか、あるいは不動産会社に鍵を預けて対応してもらいます。

 

ホームステージング

売りに出した住宅を少しでも高く、また早く売るためには、状況に応じてコストをかけることも検討するといいと思います。
たとえば、空き家になってからしばらく人が住んでいないのであれば、専門の業者に頼んで室内のクリーニングを行うのがオススメです。
室内の床、壁、天井などを一通り清掃し、洗面、浴室、トイレなどの水回りもきれいにしてもらいます。
できれば、目立つ傷の補修もするとよいでしょう。
料金は、数万円〜10万円程度はかかりますが、購入希望者が見学に来たときの第一印象が変わるため、意外に費用対効果が高いようです。

 

もう一つ、ホームステージングという方法もあります。
これは、売却予定価格の0.5%程度をかけて、リビングなど特定の部屋のカーテンや照明を新設し、レンタル家具などを入れてモデルルームのように演出するものです。
米国などでは、中古住宅の販売手法として、ごく一般的に行われている方法で、内覧の演出としてだけでなく、チラシやインターネットサイトの広告に写真を掲載することもできて便利です。

 

いずれについても、不動産会社の担当者に相談してみましょう。

 

また、内覧後には必ず、担当者に買い手の反応を確認しましよう
購入希望者の反応や感想について聞くようにして、それを踏まえて、その後の広告の打ち方や次の内覧の準備、交渉などに備えます。

 

最後に、さまざまな条件によって、売りたくても売れない空き家についてです。
たとえば、市街化調整区域にあったり、接道していなかったり、接道していても幅の狭い路地状部分があったり、変形していたり、前面道路との高低差が大きいといったケースが考えられます。

 

こうした物件の場合には、隣地の所有者に声をかけてみるのがオススメです。
土地がまとまって広くなれば、お隣さんにとってもさまざまなメリットがあるので、買われる可能性があるからです。
もちろん、あまり高い値段では売却できないでしょうが、そのまま持ち続けてもメリットはないと踏ん切りをつけて、実行に移すのが得策です。
もし、隣地所有者と面識がなく声をかけづらい場合には、仲介業者に依頼して声をかけてもらいましょう。